リレー小説―5

2004年11月24日
「・・・それで、つまり」
「うんっ?」
「お前が3時間もかかって俺に言ったことは、
お前が記憶喪失で、覚えてるのが俺を迎えに来るってことだけだったってことで間違いないんだな?」
ちびちびとカップのミルクを飲むのをやめて、
んー、と唇に指を当てて考え込んでから
「多分そうだねっ
あったまいいねっ!」
と、能天気にそいつは言いやがった
「それだけのことに3時間も費やしてるんじゃねぇ!」
「ふにゃっ!?」
腹立ち紛れにテーブルをバシッと叩く
長々とここまで付き合ったんだから、
これくらいで乱暴といわれる筋合いはない
「ど、どうしたのかなっ!?」
「どうしたじゃねぇだろ!
何でお前はそうのんびりちんたら話すんだよ!」
「のんびりちんたらっ?」
「・・・・・・」
語尾が、こう微妙に弾んでいるせいで、余計にそう感じるのだ
「・・・もういい
とにかく、俺はお前に心当たりはないし、
お前の勘違いだ」
「えーっ」
「それ以外考えられない」
「発想に柔軟性を持とうよっ」
「お前に言われたくはない」
「うー・・・つれないねっ つれないよっ」
「・・・・・・」
誰かこいつを止めてくれ
「あー、もう、とにかく、俺はお前なんて知らないからな!
じゃ」
やっぱり適当に撒いちまえば良かった
またあいつに遅くなったって言われ・・・

ぐしゃ

「・・・あ?」
なんか、ひしゃげるような音が・・・
「・・・どうしても、駄目なのっ?」
振り返ると
「それは、ちょっと、困っちゃうんだよねっ」
そいつは、笑顔のままで
それは、さっきと変わらなかった
だが
「だって、約束破っちゃったら、
ボク悪い子だよっ?」
その手には、先ほどまで慌しく給仕をしていた、
ウェイトレスの頭が握られていて
「・・・あ・・・ぁが・・・」
その頭は、赤いものを、だらだらと、流していた

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だって電波だもん
一人称は「ボク」だろう(一人称「ボク」の人に失礼

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